(主な配役)
毛谷村六助 (市川右近)・京極内匠 (市川段治郎)・一味斉娘お園 (市川笑也)ほか
(内容)
女武道という数ある歌舞伎の女形の役の中でも、特徴がある役柄が登場することで有名な「毛谷村」の場面を中心に「小栗栖瓢箪棚」と「杉坂墓所」を前につけて「彦山権現誓助劒」を3幕仕立てで上演。特に「瓢箪棚」は、昭和42年に国立劇場で復活されて以来本公演では上演されておらず、めずらしい上演の機会となるが、この場では女武道のお園(市川笑也)と敵役の京極内匠(市川段治郎)の立廻りが見所で、お園がその役どころを存分に発揮する。その後の「杉坂墓所」では、お園の許婚者で仇討ちを助けることになる剣術の達人六助(市川右近)が、親孝行の為と言われ試合で勝を譲ることにする素朴なやさしさが描かれて、見せ場の「毛谷村」がよりわかりやすくなることでしょう。主人公の六助とお園の出会いから、六助が許婚者と分かって臼を片手で持ち上げてしまうお園の大力ぶりをユーモラスに描く場面、勇んで仇討ちに出立する幕切れまで、見所に溢れる1幕。
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