イギリスの「アーサー王伝説」を作・演出の荻田浩一によるOSK日本歌劇団ならではの演出で、2019年1月24日(木)から27日(日)まで銀座博品館劇場で上演します。この公演に出演する
楊 琳さん、舞美りらさんにインタビューしました。
ーーー最初に台本を読んだ時の印象は?
◆楊 琳
今回の『円卓の騎士』は、最初から最後まできっちりと描かれている気がします。壮大なスケールなのですが、限られた人数でも対応できるものになっているなと思いました。
◆舞美 りら
(作・演出の)荻田先生の歌詞には、きれいな言葉だけではない重みを感じる歌詞が随所に散りばめられています。何曲かあるのですが、それぞれに違う印象があるので、メロディーがついたら、どういう風になるのだろうと今から楽しみです。
ーーー荻田先生の印象は?
◆楊 琳
前トップスターの高世(麻央)さんのお披露目公演、大阪松竹座での『Stormy Weather』の時に荻田先生に演出していただきましたが、お芝居で関わるのは今回が初めてです。ショーとミュージカルだと印象も変わるとは思いますが、その公演の時は、先生の頭の中にセットや電飾など隅々までリアルに芸術として出来上がっているんだなと思いました。場面を羅列する中にも何かしらの筋や統一感があって、それが無意識に観ている人の中に残っていく。そういう細かいところまで“確信犯”で、考えているんだろうなと(笑)。
◆舞美 りら
先生がおっしゃることを、その通りやっていると繋がっていく感じがあります。演出の先生って座って指示を出すイメージがあったのですが、荻田先生は、細かく動いて「これがこうなんだよね」と、すごく楽しそうに話されるのが印象的です。
ーーー役についてのイメージは?
◆楊 琳
今回、アーサー王を演じるのですが、台本の中で「僕…私」と必ず言い直すんです。そこにすごく意味があるのかなと思っています。先生に意味を聞いていないので邪推ですが、すごく自分と戦っている人物なんだろうなと思います。その自分の中の葛藤が何なのかとか、アーサー王は本当に認められたいと求めているのではないかと。そういうところを先生が意図するように、うまく表現できたらなと思っています。華やかだけど、どこか影がある二面性のある作品を先生が作られると思うので、その二面性を投影しているのかなと思いつつ。
◆舞美 りら
ヒロインと聞くと儚げなイメージがあったりすると思うのですが、今回は活発でハツラツとした女性という風にお聞きしています。台本を読んだら、登場シーンが“森の中から駆けてくる”と書いてありました。ビジュアル撮影の時にも着ましたが、黄色いお衣装で足元がちょっと見えるような丈。今までに無い王妃像で、アーサー王に対しても物怖じせず話していくタイプの女性だと思うので、今までにない役どころだなと思っています。
◆楊 琳
舞美は活発で生命力に溢れているのが合うと思うので似合うと思います!
ーーー舞美さんから見た楊さんのアーサー王はどうですか?
◆舞美 りら
楊さんは、普段からとサッパリとされているイメージがあります。私の見ていないところで苦労や葛藤などあるのかもしれませんが、そういう部分を人に見せる方ではありません。台本を読んだ時に、アーサー王はすごく悩んだり、国のため葛藤したりと、あらゆる人の中で翻弄されている大変な人だなと思いましたが、それをどのように楊さんが表現されるのかなと楽しみでもあります。繊細な方なので、その面に関しては合っていると思いますね。
◆楊 琳
前は自分から行動するタイプではなかったので、自分の意思で行動していると思っていても、どこか不安が残っているようなところがありました。色々と考えていくと自分の意思はどこにあるのだろう?と思ってしまう。舞美が言ったように悩んでいる姿を人前で出すことが苦手なので、役とはいえ、その部分を出すというのは、これまでの自分にとっては新しいチャレンジで課題になる部分だろうなと思っています。
ーーー実際に葛藤することはありますか?
◆楊 琳
例えば普通にダンスが踊れていても、応援してくださる方の好みや、その場面でのバランスが必要となります。お芝居も同じで色々な方の意見を聞くのですが、自分は何がしたいだろう?この役づくりで合っているかな?という葛藤はいつもありますね。
ーーーレビューと芝居の違いや難しさ、その逆の楽しさとは?
◆楊 琳
セリフを話すときの癖って必ずあると思うんです。それによって人に伝わりにくくなるのか、伝わりやすくなるのか。先生に演出をつけていただいて、おっしゃることを忠実に表現できるだけのキャパシティと人間性、深さを持たなきゃいけないと思いますね。固定概念を持ち過ぎないようにしなければと。だから1+1=2じゃないんですよね。舞台をやっていると、この「+」は、足すと読むのか?人によっては、漢字の十に見えるんじゃないのか?とか。色々なことを考えられるようにならなきゃとすごく思います。荻田先生の作品を拝見していると特にそれを感じますね。
◆舞美 りら
ダンスは曲がありカウントに合わせて先生がつけてくださる振りがあります。自分が何かを考えて表現するということは、ほぼ無いと私は思っていて、その決められたダンスをかっこ良くきれいに美しく踊るということが大好きなのですが、お芝居の正解がなくて何をしても良いよという自由なところも好き。最初は、お芝居は何が正解か分からなかったので、これで合っているの?と不安もあったのですが、「あなたが思うような演じ方で良いよ」とある先生から言っていただいた時から、お芝居がとても好きになりました。お芝居は心を動かさなければ自然なセリフは出てこないし、相手とのセリフを交わらせることができないので。そのセリフのキャッチボールが、相手の方が投げる球によって毎日変わることで、これが楽しいということなんだ!と最近気がつきはじめました。
◆楊 琳
楽しさってすごく難しい気がします。よく「自分たちが楽しまなければ、お客様も楽しめないよ」って言われるのですが、そこはすごくギリギリだと思うんです。自分だけ楽しんでいても、お客様が置いてきぼりでは意味が無い。自分が楽しんでいるのを観ていただいて、さらに楽しんでいただければ最高だと思うのですが、それは、どのくらいの域まで行けばいいのだろうとすごく思っています。それと、私は日によってお芝居が違うので、それを受ける相手役は大変だと思いますね(笑)。コンスタントに一定レベルで演じることができるようになりたいなと思います。
ーーー大阪公演の後、東京公演もありますね。
◆楊 琳
(本拠地が大阪なので)東京の方に観ていただける機会があるのは本当に嬉しいことだと毎回思います。東京公演も定着し始めたかなと感じるのですが、1回1回の東京公演を成功させないと次が無いぞという思いで臨んでいます。
◆舞美 りら
東京は大阪に比べて公演日数が少なくなってしまうのが現実なので、東京でも、もう少し期間も長くできるように。そのためには多くのお客様に観ていただかないと実現できないと思っているので、1人でも多くの方にOSKを知ってもらい足を運んでいただけたらと思っています。
ーーー意気込みをお願いします。
◆楊 琳
『円卓の騎士』を観に来てくださる方の期待や先生が作り出したいと思っている雰囲気、構想を忠実に表現できるように頑張りたいと思います。お客様が観に来て良かったと思っていただけるように、精一杯務めたいと思います。
◆舞美 りら
『円卓の騎士』という物語が、今もなお愛され続けている理由がどこかにあると思うので、その物語と荻田先生の独特の世界観がマッチして化学反応が起こせるんじゃないかと。今から自分もワクワクしているので、観に来てくださる方々には楽しんで帰っていただけたらなと思います。
『円卓の騎士』
作・演出:荻田浩一
出演者:楊 琳・舞美りら・愛瀬光・翼和希・城月れい・麗羅リコ・実花もも・壱弥ゆう・椿りょう・雅晴日・凜華あい・純果こころ・朝香櫻子(特別専科)
<東京公演>
会場:銀座博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-11)
2019年1月24日(木) 14:30/18:30
2019年1月25日(金) 12:00/16:00
2019年1月26日(土) 12:00/16:00
2019年1月27日(日) 11:00/15:00
〔SS席〕7,500円、〔S席〕6,000円
〔U-25(S席)〕5,000円
〔A席(自由席)〕4,000円
〔A席学割(自由席)〕2,000円
※当日は各席500円が加算されます。
★チケットお申込み方法:
OSK日本歌劇団
06-6251-3091(平日10:00~18:00)
OSK公式サイト(※PCのみ)
http://www.osk-revue.com/entrance_ticket