プロフィール
★江戸家小猫(えどやこねこ)・・・
昭和24年生まれ。師匠は父、三代目猫八。47年に落語協会に所属し高座に出演。
現在テレビ番組出演ほか「文化」「健康」「環境」などをテーマに全国で講演活動中。
昭和56年、放送演芸大賞受賞。平成2年、ベストファーザー賞受賞。平成16年、文化庁芸術祭優秀賞受賞。
目黒区碑文谷在住。
¨かばん持ち¨からスタート
- 有名人の口調、いわゆる声色をまねする芸人は数多くいるが、動物の鳴き声専門の芸人は世界広しといえども、江戸家小猫さんしかいないのではないだろうか。祖父が創始者、初代の江戸家猫八。父はものまねばかりでなくNHK「お笑い三人組」などでも大活躍した故・猫八師匠。小猫さんは高校卒業後、子供の頃から父を見て憧れていたこの世界に入り、¨かばん持ち¨からスタート、23歳位からものまねを始めた。「芸の道というのは時間がかかるのですよ。ちょっと教えてもらってすぐ出来るという訳にはいかない。とにかく稽古、稽古で自分を鍛えてやっと出来るようになっても、それでいいというわけではない。動物の鳴きまねにしても、出来るようになったら、そこがスタートです。それからお客様に鍛えられて、磨かれて、何とか物になっていく」と語る。「手間が掛かって、しかも何の保障もない。修行中は遊ぶ暇もない。今の時代には逆行しているかもしれませんね」。
動物ものまねは心と技の世界
- 技術面でも苦労はある。ウグイスでもコオロギでも音が出るようになってからが又、一苦労。生きているものの魂、息吹が入らないとダメだという。動物の鳴き声は基本的には世界共通。だから海外で披露する事もあるとか。バードライフインターナショナルがマレーシアで開かれた時、日本のニワトリとマレーシアの野生のニワトリの違いを鳴いてみせたところ、ワッとうけたという。
「あの時は嬉しかったですね。笑いのポイントが、うまくやっていけば世界共通だということが、おぼろげに判りました」
憧れの目黒に住んで
- 小猫さんは現在、目黒区碑文谷に家族4人で在住。高校時代、祐天寺近くに住んでいた友人を訪ねたときから目黒に住みたいと思っていたとか。昭和48年、結婚して五本木に一間のアパートを借りた。子供が出来、油面のお風呂付アパートに移った。子供の成長に合わせて下目黒のマンションへ。そして5年前現在のマンションを購入した。「お風呂付のアパートに引っ越した時は嬉しかったですね。それまでは一間で銭湯通いでしたから。家で風呂に入れて、上がってすぐ冷たいビールを飲んで・・・
そんな他愛もない何でもない事が幸せなんだとつくづく思いました」。
目黒の良さは?との質問に「まず地の利がいい。どこに行くにも便利で、動きやすい。また住んでいる人が落ち着いている。そして地域に対して積極的。永年住んでいる人たちが、地元に愛着を持っていますよね」と答えてくれた。
日々精進
- 祖父の時代からの¨お家芸¨を伝承しながらも、しっかり自分を持っている小猫さん。今後の抱負を尋ねると「芸を磨くこと以外には何もないですね」と言い切った。「迷うヒマがあったらやることはいっぱいありますから」と。研ぎ澄まされた技から繰り広げられる¨ものまね¨だが、その心と技の奥の深さを垣間見た思いがした。
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