アンコールインタビュー
京都・大蔵流狂言師

茂山茂さん



アンコールインタビュー
京都・大蔵流狂言師 
茂山茂さん

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プロフィール

茂山茂(しげやましげる) … 本名同じ。1975年9月9日京都生まれ。祖父は人間国宝の茂山千作。 父は茂山千五郎。活動の拠点は京都だが、東京で年に4回程度行われている三都企画プロデュースの「狂言小劇場」には毎回参加している。

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〆切2002年1月31日

前号の2001年秋号に掲載した際、多くの方からリクエストしていただきましたので、皆様の声にお応えし、アンコールインタビュー。


上演する狂言は…

茂山家が現在上演している「現行曲」は約200曲あるという。

「その中で上演頻度が高いのは60曲位ですね。 具体的には『附子』『棒しばり』『蝸牛』などが多いかな。内容的には時代背景に影響されないものの方が分かりやすいので、人気が高いですね。 今はなくなってしまった風習が入っていると分かりにくいですから」という。茂さんはどれ位の曲を覚えていらっしゃるのかと尋ねたら「この前、自分でちょっと数えてみたら、その曲の中に出てくる役どれもできるというのが38曲ありました。 自分の中ではもうちょっとあるかなーと思ってたんやけど、数えたらそれ位でしたね。全ての役ではなく、その曲に出てくるどれかの役というものも入れたらもう少しあるんやけど」との事。



将来の夢…

茂山家はテレビなど狂言の舞台以外にも活動していらっしゃる方が多いのだが、茂さんは狂言一筋。「今は狂言一筋で他のことはあまり興味ないですね。 自分がお手本としているのは祖父と父。特にうちのおじいさん(千作さん)は、ドラマなどに出て能狂言を閉鎖的な社会から世間に広めはった人。 その時役を決めた人はきっと狂言をしているおじいさんを見て、『あっ、この人使ったらおもしろいちゃうんやろかー』思って使わはったんやと思うんですよ。 今僕は自分の狂言がまだ成立していないのでそれが自分で作り上げられるまではなるべく他のことはしないでおこうと思っています。僕の狂言を観て、 そのままで何か他に使ってくれる所がもしあれば他の事にも挑戦したい」と冷静ながらも狂言に対する情熱がうかがえる。 将来の夢は「狂言の役者として主役をはりたいとは思わないんですよ。影の役者になりたいですね。僕が入っている時と入ってない時とで、何か作品の厚みや深さが変わるような…そんな存在になりたい」とのこと。 もし茂さんが誰かにインタビューするとしたら?の問いに、しばらく考えてから「うちのおじいさんですかね。他人として、もしインタビューに答えてくれはるんやったらうちのおじいさんに色々なことを聞いてみたいですね。 やっぱり弟子であり孫であれば聞きたくても聞けないことがたくさんあるので」。根っからの狂言師である茂さんでした。
 
狂言小劇場の公演データはこちら >>> 三都企画プロデュース公演