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小島聖さんプロフィール
3月1日生まれ。東京都出身。
目黒区は生まれた場所でもあり、子供の頃
住んでいたところなので、訪れるととても
落ち着くんだとか。緑もあって穏やかで
気持ちがいい街だと語ってくれました。
1989年NHK大河ドラマ『春日局』で女優
デビュー。以後、テレビドラマ・映画・舞台
などに多数出演。
最近は、テレビドラマ『ラブシャッフル』
(2009年)、『人間動物園』(2009年)、映画
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
(2007年)、舞台『ひばり』(2007年)『欲望と、
いう名の列車』(2007年)、『かもめ』(2008年)、
『パンク侍、斬られて候』(2009 年) に出演。
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小説の『錦繍』は、読み進めるうちに手紙のやりとりで綴られた世界観にどんどん入っ
ていきました。離婚した夫婦がどうして文通をするんだろうと思う部分もあったのですが、
真実が分かるにつれて切ないなぁと。
舞台版は、手紙のやり取りで進めていくというのは小説と同じですが、キャストの人た
ちが手紙の内容を数行ずつ分けて読んだり、手紙の中のワンシーンを実際に展開したり。
舞台ならではの演出になりそうです。
私が演じさせていただく“ 亜紀”という役は、辛いことも背負っていますが、すごく
ほがらかで、大きな心の持ち主です。その上で、母として、また女性としての精神的な強さも
併せ持っていると思います。過去の真実と向き合い、前を向いて懸命に生きようとしてい
る女性なので、私も全てを受け入れられるような心を持って、優しい気持ちで演じられた
らと思っています。
“ 亜紀”は、モーツァルトの曲を聞いて人生観が変わりましたが、私も節目ごとにその
ようなものに出会っているような気がします。最近は山登りに目覚めました。
山を登っているときは辛くて、何でこんなことをやっているのかなぁって思う瞬間もあ
るのですが、大自然の素晴らしい景色を見たりすると、今まで考えていた細かなことなん
てどうでもよくなっちゃうんですよ(笑)。
子供の頃から登山好きの両親に連れられてよく山登りはしていたのですが、しばらくそ
の機会がなかったんですね。最近になって一緒に登山をする仲間も集まったので、また回
数も増えてきました。
この前、初めて富士山に挑戦しました。登頂した後、降りるときに溶岩で足元が滑るの
でその辺りは大変でしたが、過去にネパールで2週間70リットルのリュックを背負って歩
いた経験があるので、それと比べたら体力的にきつくはなかったなぁ (笑)。
富士山の姿って本当に美しいと思います。他の山と連ならずに単体で存在しているんで
すよね。それってすごいエネルギーだなと感じます。間があったのとなかったのでは、
自分の人生が全然違うものになっていたと思います。
聖岳は、まず登山口に行くまでが大変で、アップダウンも激しかったです。そういう厳
しさがありながら、水がとても豊富なので緑があって花が群生していて、優しさもあるん
ですね。景色に飽きない山だなぁと思いました。色々な表情があって懐が深く、水がある
ことにより生命力も感じました。
疲れたときに湧き水が出ている水場に辿り着くと「やったぁ!」と、幸せな気持ちになり
ました。あのときに飲んだ水が本当においしくて。水のありがたみも感じましたね。
父が“ 聖岳”が好きで“ 聖( ひじり)”という名前になりましたが、実際に登ってみ
て、いい名前を付けてもらったなぁと思いました。
もともと料理が好きで習いたいなと思って始めました。知識が増えるにつれて色々なこ
とがつながって、おもしろいなぁと。2 年間通って、インストラクターの資格も取りまし
た。とは言っても、難しいことはあまり考えずに、季節のものを取り入れて体に優しいも
のを作って食べるのがいいのかなと。毎日の料理の中で、楽しみながら続けたいなと思っ
ています。野菜のおいしさを知ると、調味料の量もグンと減りました。
山を登るときは最小限の荷物にしないといけないので、軽くて素材の味を生かせるもの
を選んでいます。オーブンでトマトを乾燥させたドライトマトは定番食材ですね。どんな
料理にも合うので便利です。自然の中で食べるご飯は本当に美味しく感じるんですよ。
最近、山に登ったり海に行ったり、大自然の中で過ごす機会が増えて、たくさんのエネ
ルギーをもらっているなと思います。30 歳を過ぎた頃から、外側を塗りたくるのではなく、
色々な経験をして内面を磨いてみようかなと思うようになりました。
大自然はそんな私に「何か」をくれているような気がします。それが何なのかがまだ分
からないんですけど…( 笑)。