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石丸幹二さんプロフィール
1965年8月15日生まれ、愛媛県出身。
幼少の頃より音楽に触れ、東京藝術大学
音楽学部声楽科卒業。在学中の1990年、
劇団四季『オペラ座の怪人』ラウル役で
デビュー、07 年の退団までに数々の舞台
に立つ。
1年の充電期間を経て、09 年俳優活動を
再開。言葉と音楽のシリーズ『イノック・
アーデン』、ミュージカル『ニュー・
ブレイン』に続いて今回3作目の出演。
今後、2009年9月12日〜10月4日まで
『コースト・オブ・ユートピア』
(シアターコクーン) に出演予定。
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2009 年7 月5 日( 日) 〜 8 月9 日( 日) にパルコ劇場で、ピューリッツァー賞受賞ミュー
ジカル『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ〜日曜日にジョージと公園で〜』
が上演されます。19 世紀末、ジョルジュ・スーラという1 人の画家が描いた点描画〈グラ
ンジャット島の日曜日の午後〉という作品にインスパイアされ、スティーヴン・ソンドハイ
ムがミュージカルを作りました。それが今回上演される作品です。演出は、宮本亜門さんが
手掛けます。出演の石丸幹二さんと鈴木蘭々さんにインタビューしました。
ひとことで言うと、迷いの霧が晴れていくような作品ですね。僕は1年前にこの作品を
ブロードウェイで観たんですが、「前向きに、自分の選択を信じて進めばいいんだ」と、ポ
ンと背中を押してくれたように感じました。
ソンドハイムの曲は、表現する人間にとっては同じようなメロディを色々なバリエー
ションで奏でながら、同時に感情を乗せて歌うという、ウルトラE レベルの難しさ。今、
稽古場で格闘中です(笑)。でも、聴く側の人にはとっても心地いい音楽ですよ。
1 幕と2 幕で出演者全員が違うキャラクターを演じ分けます。僕は、1 幕はジョルジュ・
スーラという画家を演じ、家族や恋人など周りの人々との人間関係を通して、彼の人生の
一部を描いてゆきます。2 幕は時を経て、ジョルジュ・スーラの子孫( ひ孫) にあたるジョー
ジという役で、彼も美術家です。1 幕、2 幕を通して感じるのは、人間は誰しも、色々なつ
ながりの中に生きているってこと。人は手を取り合って生きているし、上の世代ともつな
がっているんだってことを思い出させてくれる作品だと思います。
僕は声も楽器だと思っています。だから今でも楽器を演奏し続けている感覚ですね。
声って扱いにくいんです。だから課題がいっぱいあって、一生向き合ってもゴールにたど
りつけそうにないなって思うぐらい魅力があります。
舞台俳優としての僕の原点です。今、新たな一歩を踏み出したのですが、劇団時代に培
わせていただいた自分のベースを見失わないようにやっていきたいと思います。
毎回新たなカンパニーとの出会いですから、まだまだ慣れないことも多いです。でも、
その中で、あえて未知の分野にも臨んでみようと、退団後の最初の舞台では朗読を経験し
てみました。ピアニストと2 人きりの舞台。表現方法として、ひとつハードルを越えたよ
うな気がします。今はそんなふうに色々な扉を一生懸命に開けている段階で、ある程度、
開けた頃に自分なりの新たな道が見えてくるんじゃないかなと思っています。
そうですね。ライヴ感覚が好きなんでしょうね。でも、演劇やミュージカルに関しては、
「この作品が生まれたのは、どういう背景があったんだろう」とか「ああ、この役者さん、
巧いなあ」とか、観ながらも色々考えてしまうんです。でも、オペラは違って、一観客と
して「なんてすごいんだろう!」と(笑)。
僕たちって、長い歴史のほんの一瞬に生きているだけですよね。だから、舞台に立つと
きも、時代を超えて残ってきたものの価値を充分に分かった上でやっていたいと思うんで
す。そういうものには有無を言わせない圧倒的な力がありますよね。だから僕は、色々観
て刺激を受けて自分を試したいと思っています。
これはまったくの趣味です。時間があれば、行き先を決めずに車を走らせたり、電車
に乗ったり。「ああ、この路線に乗ったことがないので乗ってみよう」ということもあっ
て、気付いたら鬼怒川でした。さすがに、行き当たりばったりで飛行機に乗ったことはあ
りませんが、空港まで行って、「今から乗れるのはないかな」と掲示板を眺めたことはあ
りました( 笑)。なんだか、そんなことをつらつら考える時間が、とっても楽しいんです。
『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ〜日曜日にジョージと公園で〜』と
いう作品で、パルコ劇場に初めて出演させていただきます。僕たちと一緒に舞台を楽しん
でいただければ、そして、個人のあり方、生き方、芸術、愛について、少しでも考えてい
ただけるきっかけになれたら嬉しいです。
