2008冬特大号(No.38)ミュージカル『シラノ』
ミュージカル『シラノ』 エドモン・ロスタンによる『シラノ・ド・ベルジュラック』が原作の新作ミュージカルが、2009年5月、日生劇場で上演されます。公演タイトルはミュージカル『シラノ』。ミュージカル『ジキル&ハイド』のレスリー・ブリカッス(脚本・作詞)とフランク・ワイルドホーン(作曲家)が再びタッグを組んで作り上げた話題の新作ミュージカルで、演出は『ジキル&ハイド』も手掛けた山田和也が担当。ブロードウェイに先駆けて日本で上演されることになり、〈この舞台は、ブロードウェイを刺激する。〉というキャッチコピーが付けられています。 相手役ロクサーヌには、元宝塚主演男役(トップスター)朝海ひかる、青年クリスチャン役には、浦井健治と中河内雅貴がダブルキャスト。鹿賀と同じ元劇団四季の光枝明彦、鈴木綜馬、そして戸井勝海ほか、実力派キャストが顔を揃えました。 シラノ・ド・ベルジュラックとは、17世紀フランスにいた実在の人物。剣豪であり作家、哲学者、理学者と多彩な顔を持っていたといい、多くの決闘をこなし、大きな鼻がトレードマーク。彼が亡くなった242年後に、エドモン・ロスタンによる戯曲が上演されたことにより、あらためてその名が知られたそうです。 11月に行われた製作発表には、鹿賀丈史、朝海ひかる、浦井健治、中河内雅貴、山田和也(演出)の5名が登壇しました。上演半年前ということで、キャスト陣は役をイメージした扮装姿で登場。中でも、シラノの大きな鼻に注目が集まりました。この日つけていた鼻はちょっと息が吸いにくいとのことで、形や使いやすさにこだわってこれから改良を重ねていくそうです。 山田和也(演出) 僕がこの作品について初めて耳にしたのは、『ジキル&ハイド』初演の初日のこと。それから7年が経ち、いよいよ作品の全貌を知ることができ、僕自身も大変ワクワクしています。次から次へと素晴らしいメロディーが登場しますので、まず音楽をお楽しみいただけると思います。そして、この作品は19世紀に書かれた戯曲が基になっていますが、時代を超えても決して古びることのないものであろうと思っています。鹿賀丈史(シラノ役) 『ジキル&ハイド』をやっているときに、作曲のワイルドホーン氏から、シラノをやってみないかというお話をいただきました。まだ曲も完成されていないのですが、それを聴いているだけで涙が出てくるような美しさがあり、そういうミュージカルにこの歳で出会えたことに喜びを感じています。共演者の方々も素晴らしく、厚みのある舞台になると確信しています。この鼻は、ポスター撮りのときに続いて今日が2回目です。自分の顔の一部が変わると随分感覚が違うものですね。シラノの鼻は最終的にはチャームポイントとしてご覧いただけるといいかなと思っています。人間味のあるシラノを演じられたらと思います。朝海ひかる(ロクサーヌ役) 以前から、このお話のロクサーヌという役に大変興味を持っておりまして、いつかこんな素敵な役に巡り合えたらと思っておりましたので、このお話をいただいたときにはとても嬉しかったです。素晴らしい方々と共演し、作品を作っていけるということにドキドキワクワクしていますが、自分がこの役をどのように演じられるのかという思いもあります。素晴らしい脚本・曲ですので、そこに必要とされるロクサーヌを演じられたらと思っています。浦井健治(クリスチャン役:Wキャスト) シラノは鼻がすごく強調されていますが、心がすごく寛大で、哲学的で、そういうコンプレックスがあったからこそ色々なところで活躍できたのかなと思います。そんなシラノとクリスチャンはロクサーヌという女性に恋をしますが、鹿賀さんが演じられるシラノに対比してご覧いただけるように演じられたらと思います。中河内雅貴(クリスチャン役:Wキャスト) このような作品に出会い、大役をいただくことになり幸せを感じています。素晴らしい先輩方とご一緒できることを光栄に思っています。現代のクリスチャンとして甦らせることができたらいいなと思っています。このような大きな役は初めてなのでとても緊張していますが、一生懸命、自分らしく挑みたいと思います。目次に戻る |