2008秋特大号(No.37)『華道家 假屋崎省吾の世界』 目黒雅叙園創業80周年記念 華道歴25周年記念 特別企画『華道家 假屋崎省吾の世界』が目黒雅叙園の保存建築「百段階段」で開催されます。秋の恒例催事として人気を博しているこの展覧会、昨年度は過去最高となる6万人に迫る来場者数を記録し、その人気は年々高まっています。ワタベウェディング株式会社協力により婚礼衣裳もあわせて展示され、同時開催として 「假屋崎省吾 花・ブーケ教室展」も開かれます。園内では特設ランチブッフェも実施。彩り豊かな秋のイベントにご注目ください。 今年のテーマは「飛翔」。そのテーマに込められた思いを假屋崎省吾さんが語りました。開催目前と迫った今、その内容に迫るインタビューです。 假屋崎さんにとって、このイベントはどのような意義のあるものなのでしょうか? 私にとって、ライフワークになっており、昭和の文化遺産と花のコラボレーションが毎回楽しみです。一人でも多くの方に花のパワーを伝えたいという使命を感じるイベントにしたいと考えております。回を重ねるごとに新鮮な気持ちでグレードアップをはかり、今回で9回目を迎えました。一年間を通じて、いつも目黒雅叙園のイベントをイメージしています。 伝統的な建築である百段階段という空間と花の調和についてお聞かせ下さい。 元来、百段階段はご披露宴やお食事など、皆様が華やかに集う場所です。各部屋のあらゆるところに施された装飾に日本の文化が結集されていますね。そしてお客様が集う時には、床の間に花を飾ってWおもてなしWをしていた空間でした。初めて拝見した時は、床の間に壷しかなく、寂しいという気持ちがしました。花は四季折々のもので、色があり、形があり、香りがあり、生きています。この空間と花のパワーの相乗効果によって、日本の芸術文化を再確認し、お客様をもてなす気持ちを大切に表現していきたいと考えております。 今回の展示にあたっての構想はもうお決まりでしょうか? 華道歴25周年と目黒雅叙園80周年、一生に一度という気持ちで取り組んでいます。特にこの季節ですので、秋の豊穣を表現すると同時に、日本文化のそこはかとない雰囲気から絢爛豪華な華やかさ、そして雅な世界まで、やはり日本の伝統美である打掛・白無垢などの着物と合わせたりしながら、華麗な花の世界を創造してまいります。 目黒雅叙園は人生の節目を慶ぶ場ですが、祝祭時の花の存在とはどのようなものでしょうか? 節目の祝いにとって、花の存在は大きなものがあると思います。花の持つ元気になれるパワーは、人生の折々に、気持ちを豊かにし、高揚させる素晴らしいパワーがあると思います。花には感動を呼び起こす力があるからです。 今年のテーマ「飛翔」は、どのようなイメージのものですか? この低迷した時代ですから、元気や楽しさを感じて頂き、未来を見据えたテーマにいたしました。プラス思考で、光が差し込むような明るいイメージを大切に表現してまいります。 假屋崎さんの暮らしの中(日常)での花についてのお考えをお聞かせください。 花からはじめるライフスタイルを大切に、「花はこころのビタミン」と考えております。つねに花々に彩られた生活を楽しんでいます。生の花はもちろん、文学にも音楽にもファッションにも、たくさんのシーンの中に「花」のモチーフは存在しています。やはり花は、私の暮らしの中で一番身近なもの。花を通して、生活の中に美しいものをたぐりよせ、それを活かして生活するというスタイルで生きています。華道歴25周年を経て今後も、私の変わらぬ生き方ですね。 最後に、ファンの皆様へメッセージを。 素敵な空間と美しい花々、またおいしいお食事もご用意している目黒雅叙園の、芸術の秋ならではのイベントです。花のパワーを一身に受けて、リフレッシュして頂き、元気一杯になって、また新たな一日を迎えて頂きたいですね。 ★假屋崎省吾 プロフィール 華道家。假屋崎省吾花・ブーケ教室主宰。 目次に戻る |