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2008春特大号(No.35)

 

高畑充希さんインタビュー

 
 
高畑充希  ホリプロ所属の高畑充希さんにインタビューしました。子供の頃から舞台女優になるという夢を持っていた高畑さんは13歳のとき、ミュージカル初出演にして主演という大役を掴み、昨年からは8代目ピーターパンを務めています。16歳とは思えないほどしっかりした受け答えで、あどけなさが残る表情とは裏腹に、「舞台が大好き。だから頑張る!」という強い信念を感じました。

小さい頃から舞台を観るのが好きだったとか?

 一般の家庭で育ったのですが、両親が舞台を観るのが好きでよく連れて行ってもらっていました。色々な作品を観ましたが、小学校4年生位のときに観た『オペラ座の怪人』は音楽も迫力があって素敵だったなぁと今でもよく覚えています。あとは蜷川幸雄さんの作品なども観ていました。子供の頃は音楽も『レ・ミゼラブル』などのミュージカルのサントラ(曲)ばかりを聴いていましたね。
高畑充希

舞台に出たいと思ったきっかけは?

 きっかけは特になかったのですが、舞台に立って演じていらっしゃる方たちがとてもイキイキして見えて楽しそうだなと思いました。特にカーテンコールでは達成感のある表情だったので、自分もそういう経験をしてみたいと思い、舞台女優を目指すことにしました。
 習い事は、コーラスをやっていて、その後はクラシックの先生に付いて声楽をやりました。

それから、夢を実現させるためにオーディションを受けたのですね。

 受けたいオーディションがあったら受けるようにしていました。落ちても次がまたあると思っていたので、たくさん落ちたのですが、途中でくじけそうにはなりませんでしたね。でもさすがに10何個か落ちて、この夢を諦めようかなどうしようかな……と思い始めたときに、山口百恵トリビュート・ミュージカル『プレイバック part2 〜屋上の天使』の主役オーディションがあるという記事を見つけて、運命を感じたので受けてみることにしました。

このオーディションのときのことを覚えていますか?

 当時はまだ13歳で、大阪から東京に1人で受けに来たので着いただけで安心してしまって。あとは、キョロキョロと修学旅行気分でした(笑)。審査が進んでいくにつれ、少しずつ人数が減っていって、自分が残っていることに驚きました。舞台に出たいという気持ちは大きかったのですが、まさか受かるとはあまり思っていなくて……。落ちて当たり前という感じだったので、それがかえって緊張せずにいられてよかったのかもしれません。

このオーディションでグランプリとなり、初舞台で主役を務めましたね。

 毎日のお稽古がとにかく楽しかったですね。何もかもが初めての経験で主役の重さとかはあまりまだ分かっていなかったので(笑)、自由にのびのびでさせていただきました。今振り返ると、共演者の方々に支えていただいていたんだなぁと思います。観客として舞台を観ているときは華やかな一部を観ていたわけですが、演じる側の人たちはすごく努力もしているし大変なんだなということも実感しました。初舞台がこの作品でよかったと思います。
 この公演中に誕生日を迎えたのですが、演出のラサール石井さんに「これからも何度も何度も舞台上で誕生日を迎えてね」と言っていただいたのが心に残っています。

昨年は映画出演や歌手デビューも果たしました。

 映像は初めてで舞台とは芝居の仕方も違うし、どうすればいいのか全く分からずに緊張しっぱなしでした。映像の世界で活躍なさっているベテランの方たちの演技を間近で見られてとても勉強になりました。沖縄でイルカなどの動物と触れ合えたのも楽しかったな。
 私は舞台女優をずっと目指していたので、そこから歌手デビューという道が開けるとは思っていませんでした。こういうチャンスをいただけたことにびっくりしましたが、新しい私の一面をお見せできたのでよかったです。

1981年から30年近くに渡って上演されてきたブロードウェイミュージカル『ピーターパン』に、8代目ピーターパンとして出演していますね。

高畑充希  4歳位のときに初めて舞台を観たのが『ピーターパン』だったんです。その後、小学生になっても中学生になっても観ています。この作品は、簡単に言えば簡単に説明できる話で子供たちにも分かりやすくて夢のある話だと思いますが、自分でピーターパンをやってみて、とても深い話だなって思うようになりました。
 小さな頃は、ネバーランドの華やかなキラキラした雰囲気が印象的で、明るいイメージでした。でも、ピーターパンはどうしてネバーランドにやってきたのかとか、ウエンディの恋心や親の愛を受けられない子供たちなどのことを知っていくにつれ、すごく夢のある話でもあり、悲しい話でもあるなと。そして、悲しいところもピーターパンの明るさで吹き飛ばしているなぁと思いました。
 今年は昨年に引き続き演じさせていたくことになりましたが、昨年の公演中で少しずつ分かってきたこともあるので、ピーターパンの気持ちもより深く掘り下げて、ダンスやフライングも上達できたらと思います。この役を大切に演じ、皆さんに楽しんでいただける作品にしたいですね。

充希さんのピーターパンに憧れるお子様もいらっしゃるのでは?

 そうだと嬉しいですね。私のピーターパンを観て、将来ピーターパンを演じる子が現れたら嬉しいし、ミュージカルに興味を持つきっかけになってくれたらと思います。

ご両親は何ておっしゃっていますか?

 舞台女優を目指すときに「自分のやりたいと思ったことは全部やりなさい。この歳で夢が決まっているのはすばらしいことなんだから、やりたいだけやって、無理になったら帰ってきたら」と言ってくれました。ダメだったら帰ってきたらという言葉が嬉しい反面、何としてもがんばるぞという思いがより強くなっています。
 私は舞台が大好きなので、できればずっと舞台はやっていきたいです。昨年、中学校卒業を機に大阪から上京し、高校生活と仕事の両立で、今は自分のやっていることで精一杯ですが、自分のことを客観的に見られるようになりたいと思います。これからもがんばりますので応援をお願いします!
 
高畑充希  1991年生まれ。大阪府出身。
 2005年山口百恵トリビュート・ミュージカル『プレイバック part2 〜屋上の天使』の主役オーディションで9621通の中から見事グランプリに輝き、初舞台で初主演を果たす。2007年には、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』の8代目ピーターパンとなり、昨年に引き続き今年も主演が決まっている。
 昨年、沖縄の人工尾びれを付けたイルカ・フジを題材とした映画『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』で映画デビュー。最近ではテレビドラマ『3年B組金八先生』に田口彩華役で出演している。また、アーティスト名<みつき>として、コブクロ・小渕健太郎プロデュースの「大切なもの」を昨年6月にリリース。セカンドシングルは川嶋あいプロデュース「瞳ひらいて」。