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「源氏物語」一千年紀前夜祭企画
瀬戸内寂聴/訳 「源氏物語」より
詞劇『艶は匂へど…』上演
 

(2007年11月9日記載)




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詞劇『艶(いろ)は匂(にほ)へど・・・』
銀座 博品館劇場で上演

1999年より瀬戸内寂聴訳「源氏物語」の朗読公演(銀座 博品館劇場)は始まりました。
日本を代表する女優陣をキャスティングし、『見る朗読・聞く朗読』をテーマとして上演され、
これまでに、有馬稲子さん・水谷八重子さん・藤村志保さん・小山明子さん・山本陽子さんら
女性出演者23名、男性出演者10名、総勢33名が出演し、上演回数は72回を数えました。

また、昨年から『1公演=1名で上演』から進化して、『数人による上演』を始めました。
芝居としての要素が強くなった新しい朗読劇『うき身を醒めぬゆめになしても』が上演され、
朗読劇の新たな可能性が広がりました。

そして今年は、詞劇『艶は匂へど・・・』を上演。
原作者でもある瀬戸内寂聴さんにより、この朗読劇スタイルを『詞劇:ことばげき』と命名されました。

脚本は次世代を担う若手作家として注目を集め、「源氏物語」にも精通している水原央さん、
演出は、劇団黒テントでの演劇活動を経て現在はオペラを数多く手がける恵川智美さんが担当しています。
コメディタッチの場面も盛り込まれ、様々な魅力を持つ作品に仕上がりました。

新たな演出

その1 人形操演・小川耕筰氏による「光源氏」

物語の中心人物「光源氏」を演じるのは、人形操演 小川耕筰 が操る人形です。
「光源氏」は源氏物語が誕生してから約1000年もの間、日本女性の憧れの存在です。
本公演では敢えて人形の顔は描かず、ご覧戴く皆様のそれぞれに思い描いていただくという趣向です。

その2 香演出
「姿は見えないけれど、確かにここに存在する・・・香」

日本には香道という文化が存在します。仏教とともに伝えられた≪香≫は、
「源氏物語」が描かれた平安時代には貴族の生活に深く定着しました。
「源氏物語」の描写の中には≪香≫に関する記述も度々登場します。
本公演では、銀座「香十」の協力により、平安時代の文献をもとにオリジナルの香を調合。
平安時代の≪香≫を舞台上で再現しています。
冒頭では白檀の香り+フラワー系、2幕では沈香の香り+華やかな香りが漂います。

その3 日本舞踊

キャストの一人である、峰さを理さんは日本舞踊の師範としても活躍しており、
名取名:西ア峰として本作品の振付に参加しています。
「源氏物語」には「青海波」を披露する場面があり、
この「青海波」の振付と舞を 峰さを理さんが担当し優美な舞を披露しています。

その4 語り部たち

この物語は、藤壺の宮の女房「弁」、光源氏の乳母「王命婦」、
六条の御息所の女房「中将の君」、光源氏の乳兄弟である「惟光」の4人の語りで進められていきます。


その5 マリンバ演奏

昨年は、音楽も日本と古くから関係の深いイラクの古典楽器とのコラボで上演されましたが、
今回は宅間兄弟によるマリンバの演奏も、見所・聞き所のひとつです。

終演後にはロビーパフォーマンス演奏でお見送りという嬉しいサービスも。



開幕に先がけ、舞台稽古が行われました。
(2007年11月7日撮影)


 

 

 

 

 



〜〜〜 出演者コメント 〜〜〜  


峰さを理さん

私たち四人の女優と人形師 小川さんの全く異なった
声質が奏でる「声の室内楽」をお楽しみ下さい。
そして、私たちの舞台を観て、「源氏物語」を紐解いてみようと
思っていただいたら、大変嬉しく思います。

汐風幸さん

自分が演じる六条御息所、惟光、葵にしても、
それぞれ台詞がなく動きだけ、動きも台詞もある、動きはなく台詞のみ、というように
様々なスタイルで表現していきます。このように創り上げられた作品に、
お客様がどのような反応を示されるのか、興味深くもあり、楽しみでもあります。

月影瞳さん

今回の作品の面白さは、光源氏を取り巻く女性たちから見た源氏の姿を、
特に姫君付の女房たちの客観的な視点から描いていることです。
私たちの言葉を通じて、光源氏の姿がお客様の脳裏に浮かび上がってくることを願っております。

松本紀保さん

昨年より新たに試みてきた朗読劇を寂聴先生が「詞劇」と名付けて下さいました。
字のごとく、詞=言葉をより大切にする作品となりました。
私たちが発する言葉がお客様の想像力をかきたてられたらと思っております。


「源氏物語」一千年紀前夜祭企画
瀬戸内寂聴/訳 「源氏物語」より
詞劇『艶は匂へど…』

日程

2007年11月7日(水)〜11月11日(日)

会場 銀座 博品館劇場
スタッフ

原作:「源氏物語」 瀬戸内寂聴 訳
演出:恵川智美
脚本:水原 央
音楽:宅間善之・宅間政彰
振付:西ア 峰(峰さを理)
香演出:銀座 香十
美術:荒田 良
照明:斉藤茂男
音響:青木タイヘイ
衣裳:合田瀧秀
人形製作:渡辺数憲
演出助手:長尾洋一郎
舞台監督:笠井孝行
企画:草苅清子
制作:樋口正太(博品館劇場)・北村美代子(博品館劇場)・新井 潔(インターナショナル・カルチャー)

出演

汐風幸 月影瞳 松本紀保・峰さを理
人形操演・小川耕筰、演奏:宅間善之・宅間政彰

お問い合わせ 博品館劇場 03-3571-1003
インターナショナル・カルチャー 03-3402-2171



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