女優としてのスタートライン・・・
★★★松本紀保さん 
前編

 
内容は発行した時点での内容です
 

プロフィール


★プロフィール

松本紀保(まつもと きお)

女優。目黒区在住。
歌舞伎俳優 九代目松本幸四郎の長女、弟は市川染五郎、妹は松たか子。1994年『チェンジリング』で初舞台。以後『ヴェリズモ・オペラをどうぞ!』『マトリョーシカ』『夏ホテル』『ヴァニティーズ』など舞台出演多数。
先日行われた詠み芝居『源氏物語 百花撩乱 うき身を醒めぬ ゆめになしても〜愛の罪〜』の紫式部役でその存在感を確かなものにした。最近は女優としてのみならず、ミュージカル『ラ・マンチャの男』などで演出補も手掛けている。


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目黒区にお住まいの松本紀保さんにインタビューしました。
今号と次号の2回に分けて掲載します。



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<女優になったきっかけ>

松本紀保さんは白百合学園卒業後、女子美術大学短期大学部で衣服のデザインを専攻した。卒業後は以前から習っていた書道の道に進もうかと考えていたが、父である松本幸四郎さんの誘いで『リア王』という芝居のプロンプター(稽古の時などに台詞を付ける人)を手伝うこととなる。

「小さい頃から父や弟の舞台は観ていましたが、プロンプターとして芝居創りの現場に入ってみたらとても刺激を受けました。それまで女優になりたいという願望はあまりなかったのですが、このことをきっかけに何らかの形で芝居の世界に携われたらいいなと思うようになりました。 

そんな折、稽古場で知り合った方に演劇組織であるt.p.t.(シアタープロジェクト・東京)のワークショップに誘われて参加してみました。初心者でしたが楽しく充実した時間を過ごせたのでここでの活動がとても気に入り、何かお仕事をさせてくださいと頼みに行った日がちょうどt.p.t.のオーディションの日で・・・。これをきっかけに初めて舞台に出演することになりました。

ワークショップに参加するということは言ってありましたが、家族はまさか芝居に出るとは思っていなかったようです。特に父はとても驚いていましたが、どうしてもやりたい気持ちを伝えたら納得してくれました」。


<瀬戸内寂聴訳『源氏物語 百花撩乱』への出演>

1994年の初舞台以降、舞台やテレビドラマなど数々の作品に出演してきたが、今年の11月に博品館劇場で行われた瀬戸内寂聴訳「源氏物語」を元に創られた詠み芝居『源氏物語 百花撩乱 うき身を醒めぬ ゆめになしても〜愛の罪〜』は、女優として大きな手ごたえを感じる舞台になった。

「『源氏物語』の作者である紫式部の役をやらせていただいたのですが、語りとして詠む部分が多かったので、稽古をしていく中で感情を入れすぎてもいけないと感じ、その辺りのことをじっくり考えました。また、何役かを演じ分ける場面もありましたが、テレビの声優さんの発声をじっくり聴いて声色で変化をつけてみたり、源氏物語を題材とした漫画『あさきゆめみし』を読んで絵から人物像や場面のイメージを膨らませて、衣裳や見た目に頼らない演技にも挑戦しました。

『源氏物語』の作者である紫式部を演じる中で、他の登場人物とは違い舞台上の様々な出来事にもどこか冷静な部分や客観的な見方をしなくてはいけないということが、これまでにない新しい経験になりました。

稽古期間は限られていましたが、それだからこそ集中して密度の濃い時間を過ごせたのかなと思います。私自身この作品で、初めて″語り″というものにも取り組ませていただきました。演じながら冷静に見ているもう一人の自分がいるというのも発見でき、自分の中でやっと女優としてのスタートラインに立てたような気がしています。

私以外の共演者の方が全員元宝塚の方(初風緑・月影瞳・汐風幸)だったのでお話を頂いた時は正直私を入れていただいたことは意外でしたが、顔合わせの時から初めて会ったのではないような感じがして、女子校のノリですごく居心地良く楽しく過ごさせていただきました」。


<人との出逢いを大切にしたい>

「いつも思うのですが、作品との出逢い、共演者の方との出逢いが好きです。初めての方とご一緒する時はドキドキしますが、それによって自分自身の世界が広がっているなと思います。公演が終わってしまってさようならというのではなく、1つの公演に向けて同じ時間を過ごし絆が深まった仲間たちですから、公演後もこういう出逢いや経験は大事にしたいですね」。


<目黒に住んでみて>

「実家を出て目黒で一人暮らしを始めて4年になります。目黒区は緑が多いので散歩するだけでもいい森林浴になります。目黒川沿いを歩くと新しいお店が増えていたりして、そういう発見も楽しいですね。権之助坂の商店街辺りの景色も好きで、目黒区は庶民的なところと都会的な部分が共存しているのが面白いと思います。

今、3人兄弟(弟妹)のみんながそれぞれ別々に暮らすようになりましたが、以前よりも実家に家族が集まる機会が増えました。気が付いたらなんとなくみんな実家に集合していたりするんですよね。家族の存在は心の支えですし、そういう環境を作ってくれている両親にも感謝しています」。


次号では家族のこと、これからのことを中心に掲載します。




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取材協力店





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